就職や転職をする際に、業界を知らない人から見れば大変良く似た会社である、印刷会社、製版会社、デザイン会社の違いが分からない人が結構いらっしゃるようなので、この似ているようで全然違う会社の違いについて、転職前に知っておいて下さい。
ただ、複数の会社の機能を持っているとか、印刷会社だけは別格になりますが、デザイン会社と製版会社の両方の機能を持っている会社も結構ありますので、余計に分かりにくくなっている現状があるんですけど、何をやっているのかが分かれば簡単です。
まず、デザイン会社というのはこの会社の中で最も低コストで営業することが出来ますので個人事務所レベルで営業をしているデザイン会社やフリーランスも沢山いますし、パソコンとソフトウェアとポストスクリプト対応フォントさえあれば開業できます。
ポストスクリプト対応というのは、製版会社や印刷会社で使用する出力機器でフォントを使用する際に対応フォントでないと出力エラーになることが多く、その場合はアウトライン化をしないとデザインの出力ができなくなりますので、Web系とは異なります。
目次
デザイン会社と製版会社の違いについて。
デザイン会社と製版会社は大変良く似ている部分が多くて、大規模な製版会社になるとデザイン部門の自社に構えている部分が多く、この二つの会社は大変良く似ていますし、製版機能しか持っていない製版会社はあまり見たことがありません。
よって、製版会社というのはデザイン会社が自社出力機能をもった大規模なデザイン会社のイメージで理解しておくと分かりやすいかもしれませんし、デザイン以外にも写真の撮影や画像データベースの管理、スキャニング等、印刷に関わる業務も行います。
そして、最終的に印刷会社が出力するべきデータを作成してから印刷会社に引き渡し、デザイン通りに仕上がっているか、クライアントの仕様どおりに出来上がっているかを校正して問題がなければ最終的に大量の印刷を印刷会社が行います。
デザイン会社は個人レベルでも経営できますけど、製版会社は相当大規模な設備が必要になりますので、デザインも行うけど、その他のラフデザインを高解像度の印刷物にするための、スキャニングや最終成果物の制作まで幅広く行うのがポイントです。
印刷会社と製版会社の違いについて。
印刷会社は最終的に大量に印刷物を印刷してクライアントに納品する会社であり、製版会社は印刷会社にデータ納品を行い、責任を持ってクライアントの指示通りに出来上がっているかの確認を行い、クライアントと印刷会社の間に入って仕事をします。
印刷会社が製版部門を持っているかと言えば、正直言って製版会社自体がかなり大規模な設備が必要になることとと、印刷と製版は違う工程になりますので、印刷会社で製版の仕事が発生すると、製版会社に仕事を持ち込んで依頼をする流れになります。
デザイン会社だけは個人でも出来ますし、組織化しても出来ますけど、Web系のデザインとは異なり、製版の知識や印刷の知識がないと正しいデータで納品物を制作出来ませんので、Web系の知識だけは対応できませんし、紙のデザインはまた別物です。
どちらが難しいかと言えば、Web系よりも紙系のデザインの方が難易度が高いことが多くて、美大とか専門学校でデッサンなどの基礎を学んでいる人が圧倒的に多く、Web系のデザイン会社とはかなり異なる事が多いですから転職時は要注意ですね。
転職をするなら製版会社がお勧めなの?
印刷会社と製版会社、デザイン会社のどの会社に転職をすればよいか迷っている人がいれば特殊な専門技術を身につけたいのであれば、断然製版会社であり、印刷会社とデザイン会社の知識と経験も全て身につきますし、製版会社でしか出来ない事が多いです。
現在は印刷会社の規模の縮小が結構進んできていて、これから伸びる業界でもありませんし、製版会社もかなり早い段階からWeb系の仕事を始めている状況もありますので、デザインだけで仕事をしたいなら、最初からデザイン会社への転職がお勧めです。
ただ、デザイン会社も転職先を間違えると、社長が半年後に夜逃げをしてしまった会社も少なからずありましたので、誰でも企業開業できるんですけど、それで事業化するのは簡単ではないことを理解して、転職する際にはよく調べてから転職します。
印刷会社と製版会社は半年後に倒産することはないでしょうけど、これから伸びる業界ではありませんし、お世辞にも給料が良いとも言えませんので、転職をしても年収300万円以上になるのは難しいことが多いですから、その点を確認しておいて下さい。