会社に勤めていた頃は、取引先の企業の人達もいつも頭を下げてくるし、お中元やお歳暮、年賀状も毎回送って来てくれて家族ぐるみの付き合いをしていたのに、退職をしたら手のひらを返したように取引先の人たちの態度が変わってしまい、一切連絡すらしてこなくなった・・・、このような経験をお持ちの方も多いかと思います。
この場合は大体、新入社員ではなくて、年配の管理職クラスの人に多い話なんですけど、会社を退職をした途端に周囲の態度が一変してしまって、退職後にその企業にお世話になろうとしていたとか、新しい取引先に改めて紹介しようとしていたとか、それらの思惑が一気に崩れてしまう状況ですね。
取引先はあくまでビジネスとして責任者と親しくしています。
なぜ?、こうなったのかについては、とても簡単な理由であり、会社の取引先の人たちが普段から責任者に対して丁寧な対応をしてきた理由は、単純に取引先の責任者との信用を維持するためであり、その責任者個人と親しくしたかった訳ではないからです。
もちろん、退職後もこれまで通りに親しい付き合いになる取引先の関係者もいる訳ですが、この退職という大きなイベントが発生したら、はっきりと取引先がこれまで自分の事をどのように思っていたのかが判別できますから、その時にすべてが分かります。
日本人の場合はまだそこまで顕著ではないのかもしれませんが、海外の場合は、あからさまに態度が変わることもありますので、退職してからも、ビジネス的な付き合い、プライベート的な付き合いをしようと思っていると、肩透かしを食らってしまいます。
普段から社交辞令と純粋なおつきあいを判別しておくと便利です。
別に退職をした際に、周囲の態度が一変しても困らない人も普通にいますし、退職したら自分の方こそが、取引先とは関わらない人もいる訳ですから、それ程対して問題ではないのかもしれませんが、それでも周囲の態度が急変するのを間近で見ると、あまり気分が良いものではありません。
何しろ会社にいた頃は、自分は純粋によく面倒を見て無理なお願いを聞いて取引の決済を通したり、状況によっては赤字になっても取引先の企業を助けたりしたこともある場合など、そのような会社の利益追求ではなくて、相手の企業の事を考えて経営層を説得しながら判断をしたことのある人も役職者には多いはずです。
しかし、実は取引先はあくまでビジネスとして割り切って責任者である自分に対して親しくしていただけであり、それだったら、会社にいた頃、あそこまで無理を聞いて親切な対応をするべきではなかった・・・と思うこともあるわけですね。
普段から、相手が本当は何を思っているのか、社交辞令での対応なのか、純粋に信頼関係のある対応なのか、それを見極めるような能力をつけておいたほうが管理職としても良いわけですから、退職するしないに関わらず、相手の真意を判断できる人材になっておくと、退職後も色々とメリットがあります。