アニメーターに転職をして東京で生活は出来るの?

最近では、アニメ番組が数多く放送されており、その多くのアニメ番組の中には空前の大ヒットを飛ばすような「けいおん」、「化物語」等の作品も出てきて社会現象にまで発展し、多くの企業に連鎖的にビジネスの場を与えるような状況が発生しています。

その為、アニメに関わる仕事につきたい人も沢山いて、その中でも花形とされる声優業はかなりの専門性があり狭き門である為、声優は無理でも自分にできる事、いわゆるアニメの絵を描く仕事をしたいと憧れる人が特に20代の若い層の人には沢山いらっしゃいます。

子供の頃から絵を書くのが大好きで、イラストを書く仕事であればどのような仕事であっても苦にならない位の人であれば、好きなアニメの絵を描いて仕事になるのであれば、普通の会社に就職をして事務員をしているよりもよっぽど良い訳です。

そんな感じで、一部のアニメが大ヒットしている状態ですから、そのようなアニメの作画に関わる仕事、いわゆるアニメーターになりたい若い人が出てきてもおかしくはないのですが、このアニメーターという仕事はかなり特殊な雇用形態であることが多く、色々と問題もあるようです。

 

 

正社員と請負個人事業主とアルバイトの違い

 

世間では、アニメーターの待遇の悪さがやたら広まっており、アニメーターだけでは生活が出来ない事や、労働時間の多さ、過酷な職場環境などが全面的に認知されている状態ですが、実際に現在アニメーターとして働いている20代の男性に確認を取ってみました。

この男性、大学を卒業後、以前から興味があったアニメ関係の会社で働きたいらしく、それで親の反対を押し切り、卒業後に通常の企業ではなくアニメ製作会社に就職をしたわけなのですが、実際には正社員ではなく個人事業主として働いています。

これがどういった意味であるかと言えば、福利厚生や社会保険、年金など、それらの出費は全て個人として支払わないといけないということであり、正社員には当たり前の失業保険などもボーナスなどもありません。

また、アルバイトと違い請負の個人事業主は時給単価で働いているわけではありませんので、仕事を受けてそれを確実にこなして納品するまでは労働時間に関係なく働かないといけなくなるため、その単価によっては最低時給を大きく下回る事もあります。

 

 

アニメーターだけでは生活が出来ない話は本当なのか?

 

それで、アニメーターでは生活が出来ないのか?、そういった話は本当なのか?、を確認してみたのですが、どうやらその話は本当のようで、この20代男性の場合は実家で両親と同居しているため、家賃などの支払いもなく、今の所得で何とかやっていける金額だと話してくれました。

実際に、その手取りの金額と総支給額、労働時間を見せて頂いて驚いたのですが、確かにこれでは独立して生活をするのが不可能ですし、アニメ製作会社は東京付近に多いわけですから、ひとり暮らしは先ず無理な金額だと感じます。

ただ、最近では正社員としてアニメーターを採用している制作会社もありますし、こういった特殊な業界は最初は極端に安くて、実績が伴ってくるに連れて、それに比例して待遇が良くなる業界ですから、普通の会社員と比較するのはよくありません。

あえて、下積み時代はそういったものであり実績をつけた人が、それなりの待遇を受けれるようになる昔ながらの業界だと思って見ておいたほうが多分、分かりやすいかと思いますし、会社員やOLの感覚で比較するのも出来ないのが専門職です。