転職をする際には安定していて、報酬が高い業界の企業に転職を希望する人が殆どだと思いますけど、まれにそうではなくて自分がやりたい企業であれば、年収がある程度安くても構わないと言って転職をするいらっしゃいますので、価値観は人それぞれです。
その際に、印刷業界への転職を検討している人がいれば、正直言ってお勧めできる要素が殆どありませんので、輪転機を極めたいとか、刷版を極めたいとか、線数やインクの特性を学びたいなど、よほどの理由がない限りはやめた方が無難です。
その理由としては、印刷業界は昭和の初期の時代でしたら勢いに乗っていたのかもしれませんが、平成以降は段々と縮小してきている業界であり、今後も伸びる要素はなくて縮小する要素しかない業界ですから、潰しが効かないし報酬も高くならないからです。
私がデザイン業界で働いていたときくらいから、オンデマンド印刷とかインターネットによる広告ビジネスなどが普及してきていて、それと合わせてそれまでフィルムを加工していたり刷版の専門技術を持った年配の人たちの仕事がなくなっていったからです。
完全に無くならなくても伸びることはない業界が印刷業界。
当然、印刷自体が完全になくなることはありませんから、業界がなくなることもないんですけど、機械化や自動化が進み、システム的に印刷で行う仕事が流れるようになった際には、かつてMACで出力が出来るようなった時と同じような状態になりそうです。
転職サイトを見てもわかるんですけど、IT系のエンジニアとか看護師などでしたら、非公開求人とか転職エージェントなどのサイトがたくさんあり、転職が決まったら40万円の報奨金を差し上げますとか、破格の条件で転職をたくさん斡旋しています。
また、年齢が40歳を過ぎている人でもIT系のエンジニアとか看護師は沢山仕事がありますので、何かあった場合でも転職に困ることもないのですが、印刷業界の経験者ではそのような転職エージェントや非公開求人自体が全くないことがわかると思います。
これから、更にシステム化や自動化が進んでいくと、印刷業界も更に人材が必要なくなり、オペレーション的なマニュアル操作ができる人材と、一部の刷版の達人のような人くらいしか残れないのではないかと思えるくらいの業界で待遇もよくありません。
印刷業界へ転職をしたい人は短期間の勉強重視でするべきですね。
印刷業界で働くと、質が悪い人たちがかなり多いことに気がつくんですけど、それでも中にはその業界の専門技術を持っている人たちも少なからずいますので、網点や線数などの基礎知識を覚えて、印刷やオフセット印刷で完璧な色再現を行う技術を学びます。
頑張って勉強をしていれば、オフセット印刷の基礎知識や色彩やインクに対する知識が大変高くなりますので、これらの知識と技術は印刷業界でもあまり持っている人がいないことや、他の分野でも転用できる才能なので身につけておいて損はありません。
ただし、印刷業界の待遇はお世辞にもよくありませんし、昇級やボーナスなどものぶ利用な要素が殆どない業界ですから、無くならないけど、消えることもない業界であることを認識しておき、将来の安定や収入を求める理由では近寄らない方が無難です。
あとは、印刷業界でも部署にもよるんですが、昔は青酸カリを使っていたこともあるくらい、特殊な匂いの薬品を使うことが多くて、それの匂いがダメで体調不良を起こしてしまうこともありますから、部署によってはかなりキツイ状態になりかねません。
印刷業界へ転職をしたい場合は、可能なかぎり会社をの下調べ手をしておき、まともそうな経営者であることや転職したらどのような部署で何をするのかを確認してから、転職の準備をしてくと間違った方向には進まないと思われます。
印刷業界に転職をした20代の人で年収300万円を超える人っていないのでは？